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Singularity C-Model

  • EP『Singularity C-Model』は、音楽がこの先どう変わっていくのかを実験した4曲入りのアルバムです。2015年に配信リリース。

    キャプチャー画像(Varivine-f)

    01 onexinmo

    この曲はひとつのセリーを分解、変形、乱数化したもの、また、フラクタルな縮小写像を使った奏法、音の粒子、非線形的な何か、画像を音声変換したノイズなどから作りました。

    拍子(フィボナッチ数列)

    上の拍子の数はフィボナッチ数列になっているのですが、これは、下の①の箇所に当たります。この曲は、下の①~⑤からなる拍子と小節数(4分音符の総数にして377個)から出来ています。(説明のため①~⑤と書いていますが、曲が5つに分かれてるわけではないです)。

    • ① 1+1+2+3+5+8+13+21
      ② 1+1+2+3+5+8+13+21(+1)+34
      ③ 1+1+2+3+5+8+13+21(+1)=55
      ④ 34+[1+1+2+3+5+8+13+21(+1)]=89
      ⑤ 34+[1+1+2+3+5+8]+[1+1+2+3]+[1+1]
      --------------
      ③+④=144
      ②+③+④=233
      全部で(①+②+③+④+⑤)=377

      ※フィボナッチ数列
      1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377…
    セリーは、基本形/反行形を円周上に並べ、90°と30°の組にグループ分けしたものを使いました(セリー技法を簡易に使う)。「最後の3つを足して12で割った余りをつけ足していく」というやり方で、このセリーからさらにランダムな音の並びも作りました。

    onexinmo

    画像を音声変換したノイズなども。元画像は以下のような…(PVではノイズの連続的な動きなども視覚化されています)

    音声変換した元画像

    音声変換した元画像

    「onexinmo」という曲名は、「omni」+「xeno」を繋げて逆さまにしたもの。下は2014年当時のメモより。

    メモ1 メモ2

    メモ1: 曲が曲を自覚するまで:「Xである」から「XはXである」へ
    メモ2: 4次元をあらわすには
    3次元的に聴いた場合、4次元の「断面」があらわれてくるはず…

    02 サテライト予告編

    この曲は、実際の短編映画を観ながら、その内容ではなく脈絡をメモったものをもとに作ってみたもので、

    →セリフの繰り返し→沈黙→回想→セリフの繰り返し→モノローグ→シーンの断片→

    といったようなメモをもとにして、「音楽的な」規則によらず、2つ以上の異なった部分の配置によってシークエンスを生み出す。新たに生まれた意味はやはり音楽的な変化として現れてくるような…。映画で使われるモンタージュを参考にしています。

    サテライト予告編

    03 642/443

    642/443

    「6/4拍子が2小節」と「4/4拍子が3小節」からなるポリリズムの意をタイトルにしました。覚醒~睡眠時の脳波の図を見ながら作った曲で、パターンの断片を先につくり、それを形象化しながら曲を組み立てていきました。

    04 Varivine-f

    「ヴァリヴァイン・フェム」と読みます。疑似TVアニメ的な構成というか、曲の中に挿入歌などもあってサントラのような感じも。曲は7つの部分から出来ていて、トータルで8分20秒。
    Varivine-f(挿入歌)
    00:00 タイトル (Title)
    00:22 蔓 (Vine)
    01:57 インタプリタ (Interpreter)
    03:23 挿入歌 (Featured Song)
    04:20 生命体 (Feminized variant of exobiota)
    06:00 特異点C (Singularity C-Model)
    07:19 流れ (Flow)

    Varivine-f(ヴァリヴァイン・フェム)


    ※このページはnoteの記事『onexinmo』『サテライト予告編』を元に、手を加えたものです。(2024年4月18日)


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アルバム紹介