SYN22056
-
『SYN22056』は2024年6月24日に配信されました。前作の『Nolymuse』から約2年ぶりのフルアルバムになります。 商品の型番のようなタイトル名ですが、「2万2056年後からやってきたシン」という意味を含ませています。以下は、アルバム内容に関する架空のエピソードです。
2万2056年後からやってきたシン
現在から垂直時間で数えて2万2056年後に宇宙はοノードにつながり、それまで続いてきた時空は超知性的な永遠へと無化されます。過去も未来もなくなり、人はあらゆる時と場所に存在することが可能になりました。未来のある時点で起こった出来事が、全時空に影響を及ぼす。そのため、過去は最初から未来が含まれたうえで存在していた。シンは現在からは見えない存在ですが、いつもあなたのそばにいる。つぎの未来は過去のSFというか。
未来のテキストからの引用
「ヴィーナスの真空管」では、未来のテキストからの引用をエピグラフにしています。タイトルのサウンド・ロゴのあとにそれを読み上げます。
出来事は生起します。それは起こるかもしれなければ、起こらないかもしれない。彼方に遍在する知性は因果関係とつながりますが、人の知性も因果関係のひとつなのだとしたら、人間以外の知性という因果関係は人の知性にも関与していることになる。未知の地動説。この曲は、SFアニメのOPとEDを一つにしたような構成になっています。
ヴィーナスの真空管 (pv)
我々はエリダヌス座の方角から…
インフォモーフされた意識はほかの意識と混ざり合うことで『我々』へと変化します。『我々』は内部と外部の境界を明確に識別できません。『我々』の個は一じゃなく、ゼロでもなく、割りきれません。その集合性は「人間同士」という境界も超えてしまいます。やがて、宇宙の、どんな意識と混ざり合っているかもわからなくなる。しかしそれでも個というものは現れてきます。ときに名前を持った存在として。
薄いフィルムの表面に世界の回路がある
透明でトンボのような羽根を生やした少女が歴史の外側からこの世界で起こる出来事を見ています。ある日、少女は膜を破ってどこかの空に飛んで行ってしまいます。薄いフィルムの表面に印刷された回路のなかに世界はあります。
電子大衆
『我々』は電子の旅を続けてゆきます。電子の世界は[1と0]の数値によって構成された世界です。ときに、ゲームの内側に迷い込んでしまったかのように、追われる身になることもあります。休息する暇はなく、安息の地はなかなか見つかりません。かつての記憶は劣化した映像と化しました。それでも「ススメー」という掛け声がどこかから響いてきます。
ループは劇的でなく
サイバービオトープでは、デジタル鳥の鳴声や、デジタル昆虫たちの羽音が奇妙な音風景を醸し出します。そこには2つのエコがあります。[Climate/Ecology]と[Create/Economy]の2つです。ループは劇的でなく、コラージュによる流れがオーバーラップします。
アルバム収録曲のタイトル画像。生成AI(Stable Diffusion)で作っています。
✕✕✕✕天使
ルシファーとは、かつて光をもたらす存在だったヴィーナス(明けの明星)が堕落して堕天使となった姿です。そして光の国からやってきた「光×少女」は×天使(バッテンシ)となりました。漫画の世界が現実になる。