「モールス・リズム」について
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モールス信号とは、無線などで使われる「トン・ツー」というあれですが、有名なのはSOSの「トトト・ツーツーツー・トトト」などがあると思います。「トトト」が「S」、「ツーツーツー」が「O」の文字に対応しています。モールス符号は、文字を「ト」と「ツー」の二つの発信音に置き換えて通信するための手段なのですが、これを音楽のリズムに置き換えられないかというのが「モールス・リズム」のアイデアになります。モールス符号には元となる文字が必要になるため、何らかのテキストを最初に用意しなければならないので、以下のようなものを書いてみました。
Hey, I am Rikano.
Always beside you.
You don't notice maybe.
Though rhythm has told it.
Dazzling dancing.
これをモールス符号にすると、
・・・・ ・ -・-- --・・-- ・・ ・- -- ・-・ ・・ -・- ・- -・ --- ・-・-・-
・- ・-・・ ・-- ・- -・-- ・・・ -・・・ ・ ・・・ ・・ -・・ ・ -・-- --- ・・- ・-・-・-
-・-- --- ・・- -・・ --- -・ ・----・ - -・ --- - ・・ -・-・ ・ -- ・- -・-- -・・・ ・ ・-・-・-
- ・・・・ --- ・・- --・ ・・・・ ・-・ ・・・・ -・-- - ・・・・ -- ・・・・ ・- ・・・ - --- ・-・・ -・・ ・・ - ・-・-・-
-・・ ・- --・・ --・・ ・-・・ ・・ -・ --・ -・・ ・- -・ -・-・ ・・ -・ --・ ・-・-・-
となります。点(・)は「ト」、線(ー)は「ツー」の部分です。また、モールス信号には次のような決まりがあります。
1:一線の長さは、三点に等しい。
2:一符号を作る各線又は点の間隔は、一点に等しい。
3:二符号の間隔は、三点に等しい。
4:二語の間隔は、七点に等しい。
これを音楽のリズムに置き換え、「・」ひとつが8分音符(一点)、「ー」ひとつが付点4分音符(三点)、各「・」「ー」の間には8分休符(各線又は点の間隔として一点)がはいり、ひとつの文字の終わりには付点4分休符(二符号の間隔として三点)がつく、ということにしました。
さらに、文字ひとつにつき、ひとつのコード(和音)を割り当てました。たとえば、「a」という文字にはA(メジャー)、「k」は「Gb」というふうに、表を作ってコードを対応させてみました。
さて、テキストには、文字と、その集まりである単語、さらに単語が集まって文ができているわけですが、これは次のように考えてみました。
ひとつの文字が1小節に対応する。
単語と単語の間には、1小節(2/4拍子)の空白が入る。(文字の終わり付点4分休符と合わせて二語の間隔七点)
文(行)の終わりにはピリオドを打ち、1行ずつで、やり方を変えて演奏する。
ピリオドのモールス符号は「・-・-・-」となるのですが、これが鳴ったら、つぎの行(演奏)に進むという感じです。ちなみに拍子は出だしの「Hey,」の部分なら、5/4→2/4→8/4→11/4、と文字によって規定されながら変わっていきます。
上の譜面は「RIKANOID RIKANOIA」で実際に使ったモールス・リズムの一部です。譜面上部の記号はコードではなくモールス信号。抜粋した部分の単語は「maybe.」。この個所ではスネアがリズム(モールス信号)を打っています。
該当箇所の演奏です。
(2014年9月26日にブログに書いた文章です)